2009年 08月 25日
藤村龍至という人 |
批判的工学主義を掲げる気鋭の建築家、藤村龍至氏と飲んで、長時間いろいろなことを話した。
彼は一貫している。
僕らの執拗な質問に答え続ける。ひたすら、さながら布教活動である。
・工学に対するカウンターではだめで、あくまで批判的に。
・組織かアトリエか、結局アトリエ派が「組織より」で生き残るためには、創造性を維持したまま設計スピードを上げる他ない。アトリエ派が「アーティストより」で生き残る方法は絶対的固有性を確保し、設計料の単価を上げる、もしくは仕事自体の質を上げるしかない。しかし、もはやそれはほんの一握りの中の一握りという現実が眼前に広がっていることを強く意識し、実感しなければならない。
客観的一般論からすれば、99%の建築学生はアーティスト系アトリエ派にはなれないと宣言している。
・超線形プロセスにおける形式知化しすぎないバランスの取り方。形骸化を避ける弛まぬ努力と戦略。
・究極的には、誰しもがそれなりに濃密な建築を創造可能なプロセスの提示。
・超線形プロセスが生まれるだけの素直なモチベーション。
・いかに多くの、繊細な場所固有性を読み込み、いかに多くの人を調停する政治的ロールを果たすか。彼にとって、その変数は多いほど濃密となる。その変数(外在的要因)の津波に乗るだけの作家性がなければ、ただのお役所建築となる。
・めんどくさいことを効率的に行うことで、場所の固有性を確保し、それ自体がコミュニケーションツールとしても機能し、線形(自分の範疇)を超えて創造性を担保するプロセス。
・実際、BUILDING Kの設計期間は半年である。
・風景は濃密になるかもしれないが、生活像は必ずしも濃密になるとは限らない。
・この複合性によって、作家性(ある種のわかりやすさ)が薄くなってしまう(例えばコンペに勝ちにくい)。
・囲い込み話術がどうも、、笑。
メディアでのお固い発言と同じことを言っているのに、実際の氏は僕たちの目線に驚くほど近い。それが不思議で仕方がない。
個人的には、氏の様々な発言によって、いろいろなことを相対化できた。
氏曰く「2大ミーハー大学」に属する自分は図らずも西沢さんの言葉が面白く聞こえる。氏も「面白く聞こえるが、実際問題として、社会に必要とされているのはどちらか明白だ。」と挑発的。しかし氏にも面白く聞こえていることが何より重要ですね。
いやしかし、建築界の中にいる人間は外側が見えにくい。特にうちの大学では。そういう意味で、建築学科を結果的に避け、アトリエ勤務も避けた藤村氏だからこそ、当たり前のことをはっきりと言えるのだと思う。反発、賛同、怒り、無関心、いろいろあるにせよ、彼が強烈な基準となるのは間違いない。というか既になっているだろう。
彼は自称ある意味邪道で横入りだし、既にメディアを牛耳る勢いだし、だから上からも下からも横からも一杯批判されてるし、その数だけ激しい賛同を得ているが、学生からすると、そんな藤村龍至を熱く語ることほどダサイことはないけれど、それでも、彼との議論は心底楽しかったし、救われた。挙げ句に最後フリーペーパーを渡されたが。やりすぎでは。
一人の人間として、彼に会えてよかった。
彼は一貫している。
僕らの執拗な質問に答え続ける。ひたすら、さながら布教活動である。
・工学に対するカウンターではだめで、あくまで批判的に。
・組織かアトリエか、結局アトリエ派が「組織より」で生き残るためには、創造性を維持したまま設計スピードを上げる他ない。アトリエ派が「アーティストより」で生き残る方法は絶対的固有性を確保し、設計料の単価を上げる、もしくは仕事自体の質を上げるしかない。しかし、もはやそれはほんの一握りの中の一握りという現実が眼前に広がっていることを強く意識し、実感しなければならない。
客観的一般論からすれば、99%の建築学生はアーティスト系アトリエ派にはなれないと宣言している。
・超線形プロセスにおける形式知化しすぎないバランスの取り方。形骸化を避ける弛まぬ努力と戦略。
・究極的には、誰しもがそれなりに濃密な建築を創造可能なプロセスの提示。
・超線形プロセスが生まれるだけの素直なモチベーション。
・いかに多くの、繊細な場所固有性を読み込み、いかに多くの人を調停する政治的ロールを果たすか。彼にとって、その変数は多いほど濃密となる。その変数(外在的要因)の津波に乗るだけの作家性がなければ、ただのお役所建築となる。
・めんどくさいことを効率的に行うことで、場所の固有性を確保し、それ自体がコミュニケーションツールとしても機能し、線形(自分の範疇)を超えて創造性を担保するプロセス。
・実際、BUILDING Kの設計期間は半年である。
・風景は濃密になるかもしれないが、生活像は必ずしも濃密になるとは限らない。
・この複合性によって、作家性(ある種のわかりやすさ)が薄くなってしまう(例えばコンペに勝ちにくい)。
・囲い込み話術がどうも、、笑。
メディアでのお固い発言と同じことを言っているのに、実際の氏は僕たちの目線に驚くほど近い。それが不思議で仕方がない。
個人的には、氏の様々な発言によって、いろいろなことを相対化できた。
氏曰く「2大ミーハー大学」に属する自分は図らずも西沢さんの言葉が面白く聞こえる。氏も「面白く聞こえるが、実際問題として、社会に必要とされているのはどちらか明白だ。」と挑発的。しかし氏にも面白く聞こえていることが何より重要ですね。
いやしかし、建築界の中にいる人間は外側が見えにくい。特にうちの大学では。そういう意味で、建築学科を結果的に避け、アトリエ勤務も避けた藤村氏だからこそ、当たり前のことをはっきりと言えるのだと思う。反発、賛同、怒り、無関心、いろいろあるにせよ、彼が強烈な基準となるのは間違いない。というか既になっているだろう。
彼は自称ある意味邪道で横入りだし、既にメディアを牛耳る勢いだし、だから上からも下からも横からも一杯批判されてるし、その数だけ激しい賛同を得ているが、学生からすると、そんな藤村龍至を熱く語ることほどダサイことはないけれど、それでも、彼との議論は心底楽しかったし、救われた。挙げ句に最後フリーペーパーを渡されたが。やりすぎでは。
一人の人間として、彼に会えてよかった。
by tsujitakuma
| 2009-08-25 23:19
| architect