2009年 11月 13日
パタンランゲージ要約概要 |
パタンランゲージの253パタンを要約。
都市から建築まで、専門家でなくてもそのプロセスに参加できると謳ったその画期的なシステムと、「都市はツリーではない」という言葉が先行していて、実際どのようなことを言葉にしていたのかが気になったので、自分なりに一つ一つのパタンを読み込むことで、彼の具体的な思考、言語、当時の客観性をあぶり出せるのではないかというモチベーションです。
パタンランゲージ:以下wikipediaより抜粋
概要
アレグザンダーは『パタン・ランゲージ』(1977年、邦訳1984年)の中で、人々が「心地よい」と感じる環境(都市、建築物)を分析して、253のパターンを挙げた。パターンが集まり、それらの関連の中で環境が形づくられる。1-94は町・コミュニティに関するパターン、 95-204は建物に関するパターン、205-253は構造・施工・インテリアに関するパターンである。
パターンの例には「小さな人だまり」「座れる階段」「街路を見下ろすバルコニー」などがあり、これらは家を建てたり、まちづくりのルールを決める際に役立つヒントにもなっている。アレグザンダーによればこれらのパターンは各国の美しい街や住まいに共通する普遍的なもので、かつては誰でも知っていたものであるが、近代都市計画では無視され、急激な近代化の中で忘れられてしまったものである。
既存の建物を撤去したまっさらな土地に直線の広い街路を造り、高層ビルを建てる、といった近代都市計画の発想とは正反対の発想であり、既にあるまちの文脈を読み、狭い路地や目にとまる植栽、窓からの眺めといったヒューマンスケールな要素が重視されている。
望ましいコミュニティ全体を一度に設計・建設することはできないが、パターンに従った一つ一つの行為の積み重ねが確実にコミュニティを形成してゆく。こうしたパターンを見出すのは住まい手や住民自身であり、建築家はその過程を手助けして、実際の形になるよう設計・施工の監理を行うことが役割になる。
日本への影響
日本にもパタン・ランゲージの発想が紹介され、真鶴町の「美の条例」制定や、埼玉県川越市で67のパターンからなる「川越一番街 町づくり規範」[1]が作られるなど、まちづくりのルールに取り入れられている。 アレグザンダー自身による実践の例として、日本の盈進学園東野高校(1985年)がある[2]。ここでは、学校関係者がパターンを見つけ、キャンパス計画が作られた。
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都市編<1-94>
94パタン:環境の大きな骨組みに属す
計画決定はコミュニティが認可
地域:800万人
主要都市:50万人
コミュニティや小さな町:5000-10000人
近隣:500-1000人
住宅クラスターや仕事コミュニティ:30-50人
家族や作業集団:1-15人
各集団は自分たちが共有する環境については自ら意思決定する。
上位集団は下位集団に干渉しない
上位集団は上位集団にのみ共有される、下位集団の間にある共有地を管理する
上位集団は下位集団とのコンセンサスをとらなければパタンを実施出来ない。それに対し、資金流入を匂わせることは可能である。
建物編<95-204>
<建物>
1、パタンと自分を融合させる
2、敷地、現場にいく、使う人と一緒に考える
3、形態は、パタンを取り入れるごとに徐々に成長して行く。その過程を恣意的に歪ませてはならない。
4、一回に一つのパタンを設計すること、パタン前後の影響するパタンと、影響されるパタンとの関係性はそれ自体のパタンの全体像の把握に寄与する
5、敷地でパタンがどのように変化するのか、想像する
6、次のパタンに進む前にそのパタンについて考察しておく
7、プロセスが進行するほど大幅な変更はなくなる
8、他パタンへの移行時には設計を流動的にし、変化を許容すること
9、当該パタンだけなく関連するパタンも同時にイメージすること
10、関連パタンが小さな場合、その小さなパタンも後々組み込めるか考慮しておくこと
11、最初から面積を気にしておく
12、施工費も気にしておく
13、現場で考える
施工編<205-253>
このパタンを、造り手自身が責任を持って踏襲すれば敷地に調和したユニークな建物が建てられる。それには造り手が労を惜しまず、模型を制作し、実際に数度の検討を行うことが前提である。
このパタンは最も具体的であり、且つ、根源をさかのぼって再解釈、再構成可能という点において最も抽象的である。
by tsujitakuma
| 2009-11-13 02:49
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