2009年 11月 14日
パタンランゲージ要約151-204 |
※/a/b/c/の数字は各文章の前に記しているものが当該パタンに影響するパタン(=当該パタンよりも上位のパタン)の数字、
各文章の後ろに記しているものが当該パタンが影響するパタン(=当該パタンよりも下位のパタン)の数字です。
引き続き建物編
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151.小さな集会室
/43/44/83/146/148/
多過ぎる集団においては実りある成果は得られない。
最も討論が機能するのは、直径最大2.4mまでの円形に人が並ぶ場合である。1人座るのに最低68cm必要だから、最大12名が同じ机を囲むことができる。
現在の教育機関においては大教室が多過ぎ、小教室は足りていない。よって、全体の70%以上を12人以下の小集団のための教室とし、最も公的な場所配すこと。
/159/185/251/252/
152.半私的な事務室
/127/146/148/
事務室は完全な個室として隔離するのではなく、隣接領域に対して半開放的にすること。小口の近くは居心地の良い据わり場所を設け、実際の作業空間はドアから離し、部屋の奥に設けること。
/191/159/192/185/
153.貸せる部屋
/45/75/80/81/146/154/155/
建物は空間に対する不規則な要求に対応しなければならない。
そのためにいくつかの部屋は独立している必要があり、専用入り口や浴室への直接続等の整備が必要となる。そうすればその部屋が余った時に、違う社会集団のだれかに貸すことができる。
/154/155/157/112/158/159/191/
154.十代の離れ
/75/76/141/153/
家庭内の十代の子供のための場所はある程度独立させておくべきである。一方で家族との繋がりを意識させること。
従って、子供が十代になったことを明示するために、独立性を担保した空間へと変化させること。離れは母屋と壁続きにするか、一目で分かるように突き出し、主審室からは遠く離し、専用で入り口を設けること。
/185/188/153/157/158/191/205/
155.老人の離れ
/40/75/153/154/
老人は子供と同じように自立と接続双方の欲求がある。それは対家族、対都市空間双方に対してである。従って老人向きの小さな離れを建てること。いずれの場合も近隣の公益サービスや共有地の近くで、人々の行き交う街路に面し、しかも地上階に離れを設けること。
/140/242/78/156/164/191/205/
156.腰をすえた仕事
/75/155/141/
晩年の生活には腰をすえた仕事が重要であるが、現代社会に置いては職業と隠居、家庭と仕事の関係を引き裂くことになっており、その実現は難しい。従って各人はその家庭に仕事場を設け、晩年に近づくにつれて、その規模も内容も徐々に成長して行くような仕事とすること。その仕事は必ずしも社会的価値があるものではなく、本人の価値観を優先させ、人生を紬ぐような奥行きのある仕事である。
/157/140/165/
157.家庭ワークショップ
/37/79/9/18/27/
私達が想定する理想的な社会においては仕事と家庭が混ざり合っている状態であり、家庭ワークショップを設けることはそれを助長する。従って家庭内の実質的な作業が仕事として行われるような場所をつくること。20-30㎡の広さとし、外部に対して開かれた場所に配すこと。
/159/183/165/192/161/191/
158.青空階段
/153/154/156/157/80/81/148/76/77/78/100/
建物のうち、外部と接続すべき部屋が二階に位置する場合、屋外階段に寄って外部と接続すること。工業化した近代建築においてはそのほとんどの階段が屋内にあり、上階から外部に接続する手だてを失っている。これは高度に統制化された中央集権的な性質を表しており、つまり一つの玄関に入り口が集約されることで建物の完結性は高まり、集中管理を容易く実現させている。従って屋内階段派できるだけ避け、建物の上階にある公的な機能はすべて直接地上とつなげること。地上階にはドアを設けず、開放的にすること。
/102/118/161/125/195/
159.どの部屋も二面採光
/107/106/109/116/107/
一面だけの採光は照度の多大なばらつきを生み、日常生活に悪影響を及ぼす。おおきな建物においては外周にひだをつけることで二面採光が可能となる。それが達成できない場合、奥行を浅くすること。それも無理な場合は天井を高くし、壁を白くし、窓を大きくすること。
/106/209/192/221/180/223/238/
160.建物の外縁
/159/107/106/
建物は内部だけでなく外部にも影響を与える。機会時代の建築の外部は人のために作られていない。建っている人も座っている人も建物の壁の近くや柱、家具の近くを好む傾向にある。正しく作られた外縁は二領域にまたがる一つの領域となる。建物の外縁には凹みや庇を設け人間のための空間を作ること。
/119/163/166/167/168/161/162/125/164/241/242/
161.日のあたる場所
/105/160/163/
建物の南面に接する領域は日光浴できるような場所でなければならない。そこを大事な戸外室に仕立て、働ける場所やブランコなどを配し、風から守られた配置とすること。
/140/163/167/238/174/244/241/
162.北の面
/105/128/161/
建物の北側の面が垂直だとそこに面する外部は影に覆われる。従って建物の北面はなだらかに地上に下っていくカスケード型にすること。また駐車場や倉庫など日光を必要としない部屋を納めること。
/113/145/178/198/128/159/173/
163.戸外室
/129/139/142/69/111/140/161/
外部には庭だけではなく部屋のように扱える戸外室が必要である。それはプライバシーを確保した外部空間のことである。
/226/173/243/174/244/168/191/205/
164.街路に向かう窓
/51/61/100/101/
賑やかな町に面した建物には街路を見下ろす腰掛け付きの窓を設置し、それらを寝室や人が良く通過する廊下や階段に配すこと。一階では窓と床を高くしプライバシーを確保すること。
/180/236/238/246/
165.街路への開口
/164/43/44/45/46/47/88/101/
行動を見ることが行動の引き金になる。街路への露出が許される公共空間は、外部に対して大きな開口を設け、内部を公開できるような壁を設けること。できれば歩行路の反対側にも店の機能を配し、歩行路をまたがって店があるような状態とすること。
/243/121/163/
166.外廊
/160/119/118/100/
建物の外縁には必ず各階にポーチ、柱廊、アーケード、バルコニー、腰掛け、日よけなどを設置すること。とりわけ公共空間に面した部分は重要である。
/140/163/167/193/226/
167.一間バルコニー
/119/166/
バルコニーの奥行きは一間=1.8m以上とし、建物に食い込ませることでプライバシーを確保すること。
/243/226/193/161/163/191/
168.大地へのなじみ
/160/119/140/166/167/
建物の外縁は通路、テラス、段などを設け、建物と周囲の大地とをなじませること。建物と大地が不明確に混ざるように中間領域を設けること。
/130/140/163/169/215/248/247/
169.壇上の斜面
/104/160/168/
壇上の斜面は水を均等に配分するので治水、利水両面で有効である。あらゆる傾斜地では、地形千に会わせた段と堤の体系をつくること。建物は段に収まる必要はない。
/177/170/245/243/
170.果樹
/67/111/
果物の栽培は都市において自然を喚起させる要素であり、共有することでコミュニティの発展にも寄与する。
/176/171/120/
171.木のある場所
/104/170/
樹木が生み出す特別な空間性を考慮すること。樹木は人に必要な存在であるが、管理が必要であるため人が寄り付く場所=生活の近くに、もしくは生活とともに環境を形成する必要がある。
/163/174/176/241/243/
172.野生の庭
/169/170/171/
草、苔、低木、花などがなるべく自然に育つような庭にすること。人工的すぎる配置、表現は避け、適度に手を加えるだけで管理出来るように様々な種類の植物を自然に混成させること。
/175/176/71/245/
173.庭囲い
/111/140/59/60/
庭や小公園は十分に囲われ騒音を排除しないと十分に機能しない。大きな公園では柔らかな囲いを、小さな公園では多少強固な囲いを設け、都市の喧噪と隔離すること。とはいっても開かれた方がいい場合もある。
/106/140/174/193/114/134/
174.格子棚の遊歩道
/163/171/1175/170/106/112/
特別な保護やくつろいだ雰囲気の必要な場所には上に格子棚を設け、花の咲くつる植物を植えること。その散歩道の線によって屋外空間を分節あるいは接続し、配置に役立てること。
/226/247/238/246/
175.温室
/37/41/67/
温帯地方では家やオフィスに直結して温室を建てること。そこは家に直結した半外部空間として機能する。
/177/178/201/145/176/180/
176.庭の腰掛け
/172/161/
庭のなかに静かな場所を設け、そこに腰掛けを配し、自己と自然だけで形成される世界を用意すること。
/241/238/
177.菜園
/170/67/111/
4人家族が一年間十分な野菜を確保するには400㎡あれば良い。私有庭や共有地の一部を菜園にあてること。
/178/144/
178.コンポスト
/170/177/37/74/
今日の下水処理システムは大量の天然水を無駄にし、必要な養分を奪ってしまう。一回の便所水洗で3.8lの水を使用し、維持費もかさむ。加えて河川汚水も進む。
従ってあらゆる便所の下に鑑識の堆肥装置を設け、有機ゴミと合わせて肥料にして利用すること。
/144/
179.アルコーブ
/129/139/142/146/150/151/
ほとんどの人間は孤立と共存という相反した要求を持っている。一つの部屋、同一空間においても一人か二人で孤立出来る機会を与えなければならない。したがって家族室を幅1.8m×奥行0.9m-1.8m程度のアルコーブで囲み、個人のスペースでありながら家族を感じられる空間を用意すること。
/190/193/226/180/202/211/191/
180.窓のある場所
/130/134/159/164/
窓辺の、壁にある凹みに備え付けられた腰掛や、出窓、低い窓台に置かれたイスは万人に好まれる。一日のうち少しでも留まる可能性のある部屋の中の少なくとも一つの窓辺は窓のある場所に仕立てること。
/179/222/202/221/223/231/
181.炉火
/129/
人は火に集まる性質がある。炉火を共有空間、たぶん台所に配し、人の集まる空間や部屋からも見える位置に置くこと。火の消えている間もそこが有効な場所として機能するように、窓など他の焦点を近くに用意すること。
/178/185/180/
182.食事の雰囲気
/147/139/
食事空間の中央に家族全員または集まる人たちが楽に使える大きさの厚いテーブルを置くこと。卓上に照明を設け、周りは対照的に暗くすることで焦点がテーブル、すなわち一緒に食事をしている人に集まるようにすること。
/252/250/251/202/200/201/
183.作業空間の囲い
/157/146/152/179/
居心地の良い作業空間の条件
・背後に壁がある
・片方の側面に壁がある
・前面2.4m以内にめくら壁を設けてはならない
・5.6㎡以上の面積
・50-70%を壁か窓で囲うべきである
・屋外への眺望
・2.4m以内に他の人がいてはならない
・少なくとも2人以上8人以下の他者を感じられる
・自分の作業空間で発生する音と異なる騒音が聞こえてはならない
・それぞれまちまちの方向を向いて作業する
・どの作業者も面と向かってはならない
・少なくとも2人は視界に入り、4人以上がみえてはならない
・話しかけられる距離に少なくとも1人はいる
/192/193/197/200/201/252/185/191/
184.台所のレイアウト
/139/
台所は適度な大きさである必要がある。調理コンロ、流し、食品収納、カウンターを次のように配すこと。
・4つのうち、どの2つも3m以上離さない
・カウンターは3.6m 以上にする
・どのカウンターも1.2m以下にしない
/199/197/200/
185.くるま座
/142/127/
座ってくつろぐ空間は動線から避け、その空間が円形を暗示するようにすること。それによってイスが自然と円形に配される。イスはやや雑然に、2、3余分に置くこと。
/181/191/193/129/142/251/252/180/
186.ざこ寝
/136/137/138/143/187/188/
いつものプライベートな就寝とは別に、子供と大人、客人と一緒に寝られるような就寝領域を計画すること。これは暖炉のある共用室で可能であり、一つのアルコーブにつき大きなマットと毛布が数枚あればよい。
/179/188/189/143/
187.ふたりのベッド
/136/
夫婦の共同生活の中心はベッドである。夫婦生活のしかるべき時期に自分たちだけの特別なベッドを用意すること。それは僅かに囲われ、低い天井でベッドの周囲にはいくつか小窓を設け、ベッドの周りの空間をカスタマイズできるようにしておくこと。
/189/188/190/249/191/
188.ベッド・アルコーブ
/143/186/187/141/
寝室は無意味である。寝室があったとして、そのベッドの周りの空間は死んでしまうからである。寝室以外の機能を持つ部屋の脇に、ベッドアルコーブを設けること。ベッドアルコーブの天井は主室の天井よりも低くし、適度な広さと換気を満たすものでなければならない。
/190/197/200/221/193/189/191/
189.着替え室
/187/188/144/
着替える空間はそれ自体独立させた空間である必要がある。
着替え室には直径1.8m以上の空きを残し、衣装がけスペース、棚、引き出し、鏡が収まるスペースとすること。
/159/197/198/200/201/191/
190.天井高の変化
/すべての建築パタン/
すべての天井高を均一にすると心地いい建物にはならない。
低い天井は親密性に、高い天井は格式性に寄与する。
・天井高は間口と奥行きに関係づけさせるべきである。
ex1:パラディオ部屋の高さは間口と奥行きの中間の値
ex2:日本家屋では畳の枚数に関係(3畳=2.2m、12畳=3m)
・天井高は部屋にいる人の社会関係に関係している
・適正天井高は相対的に決まる
従って、建物全体にわたって連続した部屋では天井高を変えていくこと。公的な部屋の天井は高く(3-3.6m)私的な部屋の天井は低く(1.8-2.7m)すること。基本的には天井が高い空間ほど地階レベルにある。
/219/145/191/205/213/
191.屋内空間の形
/190/
幾何学的な直方体は人間のための空間をつくらない。かといって擬似生物的な形態も無意味である。両者の中間の形が最適である。
壁が厚い場合を除いて部屋と部屋を仕切る壁は真っ直ぐであるべき。部屋と部屋の接続部分の納まりが最もよいのは直角に近い接続である。また天井は平らか、一方向または二方向ヴォールトとすること。
/212/210/219/218/106/197/198/193/205/
192.生活を見下ろす窓
/159/190/191/
各部屋に窓を設け、地域ごとの最適な窓率を確保すること。(サンフランシスコでは床面積の25%)
さらに外の生活が見渡せる位置に配すこと。
/221/239/222/223/
193.半開の壁
/191/152/167/179/185/188/101/119/131/
極端に開放的でも閉鎖的でもなく、適度に分節、接続されたバランスの空間が必要である。正しいバランスを得るために、柱、半開の壁、ポーチ、室内窓、引き戸、低い窓台などを組み合わせて活用すること。
/179/183/194/212/194/226/227/239/249/
194.室内窓
/101/130/131/132/135/142/193/
窓がなく薄暗い部屋には室内窓を設けること。開閉できる必要はなく、視覚的関係性を担保できればよい。
/239/237/
195.階段の容積
/133/158/
階段のために二階分の容積を用意すること。形は直線、L、U、Cなどどれでも良い。幅は60-150cm。適正勾配は蹴上げ+ふみ面=44.5cmだが、はしごからスロープまで許容する。
/212/228/125/203/
196.隅のドア
/131/142/
特に小さな部屋の場合、ドアは部屋の隅に配すこと。二つドアがある場合もそれぞれ部屋の片側に寄せること。
/224/198/225/149/237/
197.厚い壁
/191/179/180/190/160/
住まいのうちで最も個性が表出するのは壁付近であり、棚、照明、深い窓枠、ニッチ、作り付けの腰掛けなどが収められた厚い壁で空間を構成すること。壁は漸進的にカスタマイズされ個人の痕跡となる。
/211/200/212/180/198/199/201/202/203/204/
198.部屋ざかいのクローゼット
/183/189/
壁に収納を埋め込むことによって遮音性を確保できる。外周壁には取り付けてはならない。
/197/
199.日のあたるカウンター
/139/184/128/
台所には他のどんな場所よりも日光が必要である。台所カウンターの主要部分を台所の南側と東側に配し、その前に大きな窓を設けること。
/192/200/211/250/
200.浅い棚
/197/139/183/
奥行きの深い食器棚はあまり使われない。収納の本質は取り出しやすさであり、そのためにはすべての収納物が見える位置にあることが重要である。
/201/211/
201.腰高の棚
/197/200/
使われるものは常に往来している。腰くらいの高さの棚があれば日常的に使われるものが自然とそこに集まり、無くす恐れがなくなる。
人々が作業する、時間を過ごす主要な部屋には長めの腰の高さの棚を用意すること。奥行きは25-40cmにし、その下に棚や収納スペースを設けること。
/211/253/
202.造り付けの腰掛け
/142/130/179/180/
機能する造り付けの腰掛けの条件
・目立たない一角
・背には緩い傾斜、クッション材
・興味深いものを眺められる位置
実際に生活してみてそのような場所を発見した後に作ること。
/197/211/
203.ちびっ子のほら穴
/73/86/197/137/
子供は小さな洞穴のような場所に入るのを好む。
家の周囲、近隣、学校などの子供の遊ぶ場所には76-120cm程度の天井の「ほら穴」を設けること。入り口も小さくし子供の世界を確立すること。
/211/224/
204.開かずの間
/197/190/
家の中に、鍵をかけられる秘密の0.3-0.5㎡を用意すること。家の古い記憶や重要な秘密を保存する場所である。
/198/211/219/
参考文献「パタンランゲージ」C・アレグザンダー著 鹿島出版会
各文章の後ろに記しているものが当該パタンが影響するパタン(=当該パタンよりも下位のパタン)の数字です。
引き続き建物編
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151.小さな集会室
/43/44/83/146/148/
多過ぎる集団においては実りある成果は得られない。
最も討論が機能するのは、直径最大2.4mまでの円形に人が並ぶ場合である。1人座るのに最低68cm必要だから、最大12名が同じ机を囲むことができる。
現在の教育機関においては大教室が多過ぎ、小教室は足りていない。よって、全体の70%以上を12人以下の小集団のための教室とし、最も公的な場所配すこと。
/159/185/251/252/
152.半私的な事務室
/127/146/148/
事務室は完全な個室として隔離するのではなく、隣接領域に対して半開放的にすること。小口の近くは居心地の良い据わり場所を設け、実際の作業空間はドアから離し、部屋の奥に設けること。
/191/159/192/185/
153.貸せる部屋
/45/75/80/81/146/154/155/
建物は空間に対する不規則な要求に対応しなければならない。
そのためにいくつかの部屋は独立している必要があり、専用入り口や浴室への直接続等の整備が必要となる。そうすればその部屋が余った時に、違う社会集団のだれかに貸すことができる。
/154/155/157/112/158/159/191/
154.十代の離れ
/75/76/141/153/
家庭内の十代の子供のための場所はある程度独立させておくべきである。一方で家族との繋がりを意識させること。
従って、子供が十代になったことを明示するために、独立性を担保した空間へと変化させること。離れは母屋と壁続きにするか、一目で分かるように突き出し、主審室からは遠く離し、専用で入り口を設けること。
/185/188/153/157/158/191/205/
155.老人の離れ
/40/75/153/154/
老人は子供と同じように自立と接続双方の欲求がある。それは対家族、対都市空間双方に対してである。従って老人向きの小さな離れを建てること。いずれの場合も近隣の公益サービスや共有地の近くで、人々の行き交う街路に面し、しかも地上階に離れを設けること。
/140/242/78/156/164/191/205/
156.腰をすえた仕事
/75/155/141/
晩年の生活には腰をすえた仕事が重要であるが、現代社会に置いては職業と隠居、家庭と仕事の関係を引き裂くことになっており、その実現は難しい。従って各人はその家庭に仕事場を設け、晩年に近づくにつれて、その規模も内容も徐々に成長して行くような仕事とすること。その仕事は必ずしも社会的価値があるものではなく、本人の価値観を優先させ、人生を紬ぐような奥行きのある仕事である。
/157/140/165/
157.家庭ワークショップ
/37/79/9/18/27/
私達が想定する理想的な社会においては仕事と家庭が混ざり合っている状態であり、家庭ワークショップを設けることはそれを助長する。従って家庭内の実質的な作業が仕事として行われるような場所をつくること。20-30㎡の広さとし、外部に対して開かれた場所に配すこと。
/159/183/165/192/161/191/
158.青空階段
/153/154/156/157/80/81/148/76/77/78/100/
建物のうち、外部と接続すべき部屋が二階に位置する場合、屋外階段に寄って外部と接続すること。工業化した近代建築においてはそのほとんどの階段が屋内にあり、上階から外部に接続する手だてを失っている。これは高度に統制化された中央集権的な性質を表しており、つまり一つの玄関に入り口が集約されることで建物の完結性は高まり、集中管理を容易く実現させている。従って屋内階段派できるだけ避け、建物の上階にある公的な機能はすべて直接地上とつなげること。地上階にはドアを設けず、開放的にすること。
/102/118/161/125/195/
159.どの部屋も二面採光
/107/106/109/116/107/
一面だけの採光は照度の多大なばらつきを生み、日常生活に悪影響を及ぼす。おおきな建物においては外周にひだをつけることで二面採光が可能となる。それが達成できない場合、奥行を浅くすること。それも無理な場合は天井を高くし、壁を白くし、窓を大きくすること。
/106/209/192/221/180/223/238/
160.建物の外縁
/159/107/106/
建物は内部だけでなく外部にも影響を与える。機会時代の建築の外部は人のために作られていない。建っている人も座っている人も建物の壁の近くや柱、家具の近くを好む傾向にある。正しく作られた外縁は二領域にまたがる一つの領域となる。建物の外縁には凹みや庇を設け人間のための空間を作ること。
/119/163/166/167/168/161/162/125/164/241/242/
161.日のあたる場所
/105/160/163/
建物の南面に接する領域は日光浴できるような場所でなければならない。そこを大事な戸外室に仕立て、働ける場所やブランコなどを配し、風から守られた配置とすること。
/140/163/167/238/174/244/241/
162.北の面
/105/128/161/
建物の北側の面が垂直だとそこに面する外部は影に覆われる。従って建物の北面はなだらかに地上に下っていくカスケード型にすること。また駐車場や倉庫など日光を必要としない部屋を納めること。
/113/145/178/198/128/159/173/
163.戸外室
/129/139/142/69/111/140/161/
外部には庭だけではなく部屋のように扱える戸外室が必要である。それはプライバシーを確保した外部空間のことである。
/226/173/243/174/244/168/191/205/
164.街路に向かう窓
/51/61/100/101/
賑やかな町に面した建物には街路を見下ろす腰掛け付きの窓を設置し、それらを寝室や人が良く通過する廊下や階段に配すこと。一階では窓と床を高くしプライバシーを確保すること。
/180/236/238/246/
165.街路への開口
/164/43/44/45/46/47/88/101/
行動を見ることが行動の引き金になる。街路への露出が許される公共空間は、外部に対して大きな開口を設け、内部を公開できるような壁を設けること。できれば歩行路の反対側にも店の機能を配し、歩行路をまたがって店があるような状態とすること。
/243/121/163/
166.外廊
/160/119/118/100/
建物の外縁には必ず各階にポーチ、柱廊、アーケード、バルコニー、腰掛け、日よけなどを設置すること。とりわけ公共空間に面した部分は重要である。
/140/163/167/193/226/
167.一間バルコニー
/119/166/
バルコニーの奥行きは一間=1.8m以上とし、建物に食い込ませることでプライバシーを確保すること。
/243/226/193/161/163/191/
168.大地へのなじみ
/160/119/140/166/167/
建物の外縁は通路、テラス、段などを設け、建物と周囲の大地とをなじませること。建物と大地が不明確に混ざるように中間領域を設けること。
/130/140/163/169/215/248/247/
169.壇上の斜面
/104/160/168/
壇上の斜面は水を均等に配分するので治水、利水両面で有効である。あらゆる傾斜地では、地形千に会わせた段と堤の体系をつくること。建物は段に収まる必要はない。
/177/170/245/243/
170.果樹
/67/111/
果物の栽培は都市において自然を喚起させる要素であり、共有することでコミュニティの発展にも寄与する。
/176/171/120/
171.木のある場所
/104/170/
樹木が生み出す特別な空間性を考慮すること。樹木は人に必要な存在であるが、管理が必要であるため人が寄り付く場所=生活の近くに、もしくは生活とともに環境を形成する必要がある。
/163/174/176/241/243/
172.野生の庭
/169/170/171/
草、苔、低木、花などがなるべく自然に育つような庭にすること。人工的すぎる配置、表現は避け、適度に手を加えるだけで管理出来るように様々な種類の植物を自然に混成させること。
/175/176/71/245/
173.庭囲い
/111/140/59/60/
庭や小公園は十分に囲われ騒音を排除しないと十分に機能しない。大きな公園では柔らかな囲いを、小さな公園では多少強固な囲いを設け、都市の喧噪と隔離すること。とはいっても開かれた方がいい場合もある。
/106/140/174/193/114/134/
174.格子棚の遊歩道
/163/171/1175/170/106/112/
特別な保護やくつろいだ雰囲気の必要な場所には上に格子棚を設け、花の咲くつる植物を植えること。その散歩道の線によって屋外空間を分節あるいは接続し、配置に役立てること。
/226/247/238/246/
175.温室
/37/41/67/
温帯地方では家やオフィスに直結して温室を建てること。そこは家に直結した半外部空間として機能する。
/177/178/201/145/176/180/
176.庭の腰掛け
/172/161/
庭のなかに静かな場所を設け、そこに腰掛けを配し、自己と自然だけで形成される世界を用意すること。
/241/238/
177.菜園
/170/67/111/
4人家族が一年間十分な野菜を確保するには400㎡あれば良い。私有庭や共有地の一部を菜園にあてること。
/178/144/
178.コンポスト
/170/177/37/74/
今日の下水処理システムは大量の天然水を無駄にし、必要な養分を奪ってしまう。一回の便所水洗で3.8lの水を使用し、維持費もかさむ。加えて河川汚水も進む。
従ってあらゆる便所の下に鑑識の堆肥装置を設け、有機ゴミと合わせて肥料にして利用すること。
/144/
179.アルコーブ
/129/139/142/146/150/151/
ほとんどの人間は孤立と共存という相反した要求を持っている。一つの部屋、同一空間においても一人か二人で孤立出来る機会を与えなければならない。したがって家族室を幅1.8m×奥行0.9m-1.8m程度のアルコーブで囲み、個人のスペースでありながら家族を感じられる空間を用意すること。
/190/193/226/180/202/211/191/
180.窓のある場所
/130/134/159/164/
窓辺の、壁にある凹みに備え付けられた腰掛や、出窓、低い窓台に置かれたイスは万人に好まれる。一日のうち少しでも留まる可能性のある部屋の中の少なくとも一つの窓辺は窓のある場所に仕立てること。
/179/222/202/221/223/231/
181.炉火
/129/
人は火に集まる性質がある。炉火を共有空間、たぶん台所に配し、人の集まる空間や部屋からも見える位置に置くこと。火の消えている間もそこが有効な場所として機能するように、窓など他の焦点を近くに用意すること。
/178/185/180/
182.食事の雰囲気
/147/139/
食事空間の中央に家族全員または集まる人たちが楽に使える大きさの厚いテーブルを置くこと。卓上に照明を設け、周りは対照的に暗くすることで焦点がテーブル、すなわち一緒に食事をしている人に集まるようにすること。
/252/250/251/202/200/201/
183.作業空間の囲い
/157/146/152/179/
居心地の良い作業空間の条件
・背後に壁がある
・片方の側面に壁がある
・前面2.4m以内にめくら壁を設けてはならない
・5.6㎡以上の面積
・50-70%を壁か窓で囲うべきである
・屋外への眺望
・2.4m以内に他の人がいてはならない
・少なくとも2人以上8人以下の他者を感じられる
・自分の作業空間で発生する音と異なる騒音が聞こえてはならない
・それぞれまちまちの方向を向いて作業する
・どの作業者も面と向かってはならない
・少なくとも2人は視界に入り、4人以上がみえてはならない
・話しかけられる距離に少なくとも1人はいる
/192/193/197/200/201/252/185/191/
184.台所のレイアウト
/139/
台所は適度な大きさである必要がある。調理コンロ、流し、食品収納、カウンターを次のように配すこと。
・4つのうち、どの2つも3m以上離さない
・カウンターは3.6m 以上にする
・どのカウンターも1.2m以下にしない
/199/197/200/
185.くるま座
/142/127/
座ってくつろぐ空間は動線から避け、その空間が円形を暗示するようにすること。それによってイスが自然と円形に配される。イスはやや雑然に、2、3余分に置くこと。
/181/191/193/129/142/251/252/180/
186.ざこ寝
/136/137/138/143/187/188/
いつものプライベートな就寝とは別に、子供と大人、客人と一緒に寝られるような就寝領域を計画すること。これは暖炉のある共用室で可能であり、一つのアルコーブにつき大きなマットと毛布が数枚あればよい。
/179/188/189/143/
187.ふたりのベッド
/136/
夫婦の共同生活の中心はベッドである。夫婦生活のしかるべき時期に自分たちだけの特別なベッドを用意すること。それは僅かに囲われ、低い天井でベッドの周囲にはいくつか小窓を設け、ベッドの周りの空間をカスタマイズできるようにしておくこと。
/189/188/190/249/191/
188.ベッド・アルコーブ
/143/186/187/141/
寝室は無意味である。寝室があったとして、そのベッドの周りの空間は死んでしまうからである。寝室以外の機能を持つ部屋の脇に、ベッドアルコーブを設けること。ベッドアルコーブの天井は主室の天井よりも低くし、適度な広さと換気を満たすものでなければならない。
/190/197/200/221/193/189/191/
189.着替え室
/187/188/144/
着替える空間はそれ自体独立させた空間である必要がある。
着替え室には直径1.8m以上の空きを残し、衣装がけスペース、棚、引き出し、鏡が収まるスペースとすること。
/159/197/198/200/201/191/
190.天井高の変化
/すべての建築パタン/
すべての天井高を均一にすると心地いい建物にはならない。
低い天井は親密性に、高い天井は格式性に寄与する。
・天井高は間口と奥行きに関係づけさせるべきである。
ex1:パラディオ部屋の高さは間口と奥行きの中間の値
ex2:日本家屋では畳の枚数に関係(3畳=2.2m、12畳=3m)
・天井高は部屋にいる人の社会関係に関係している
・適正天井高は相対的に決まる
従って、建物全体にわたって連続した部屋では天井高を変えていくこと。公的な部屋の天井は高く(3-3.6m)私的な部屋の天井は低く(1.8-2.7m)すること。基本的には天井が高い空間ほど地階レベルにある。
/219/145/191/205/213/
191.屋内空間の形
/190/
幾何学的な直方体は人間のための空間をつくらない。かといって擬似生物的な形態も無意味である。両者の中間の形が最適である。
壁が厚い場合を除いて部屋と部屋を仕切る壁は真っ直ぐであるべき。部屋と部屋の接続部分の納まりが最もよいのは直角に近い接続である。また天井は平らか、一方向または二方向ヴォールトとすること。
/212/210/219/218/106/197/198/193/205/
192.生活を見下ろす窓
/159/190/191/
各部屋に窓を設け、地域ごとの最適な窓率を確保すること。(サンフランシスコでは床面積の25%)
さらに外の生活が見渡せる位置に配すこと。
/221/239/222/223/
193.半開の壁
/191/152/167/179/185/188/101/119/131/
極端に開放的でも閉鎖的でもなく、適度に分節、接続されたバランスの空間が必要である。正しいバランスを得るために、柱、半開の壁、ポーチ、室内窓、引き戸、低い窓台などを組み合わせて活用すること。
/179/183/194/212/194/226/227/239/249/
194.室内窓
/101/130/131/132/135/142/193/
窓がなく薄暗い部屋には室内窓を設けること。開閉できる必要はなく、視覚的関係性を担保できればよい。
/239/237/
195.階段の容積
/133/158/
階段のために二階分の容積を用意すること。形は直線、L、U、Cなどどれでも良い。幅は60-150cm。適正勾配は蹴上げ+ふみ面=44.5cmだが、はしごからスロープまで許容する。
/212/228/125/203/
196.隅のドア
/131/142/
特に小さな部屋の場合、ドアは部屋の隅に配すこと。二つドアがある場合もそれぞれ部屋の片側に寄せること。
/224/198/225/149/237/
197.厚い壁
/191/179/180/190/160/
住まいのうちで最も個性が表出するのは壁付近であり、棚、照明、深い窓枠、ニッチ、作り付けの腰掛けなどが収められた厚い壁で空間を構成すること。壁は漸進的にカスタマイズされ個人の痕跡となる。
/211/200/212/180/198/199/201/202/203/204/
198.部屋ざかいのクローゼット
/183/189/
壁に収納を埋め込むことによって遮音性を確保できる。外周壁には取り付けてはならない。
/197/
199.日のあたるカウンター
/139/184/128/
台所には他のどんな場所よりも日光が必要である。台所カウンターの主要部分を台所の南側と東側に配し、その前に大きな窓を設けること。
/192/200/211/250/
200.浅い棚
/197/139/183/
奥行きの深い食器棚はあまり使われない。収納の本質は取り出しやすさであり、そのためにはすべての収納物が見える位置にあることが重要である。
/201/211/
201.腰高の棚
/197/200/
使われるものは常に往来している。腰くらいの高さの棚があれば日常的に使われるものが自然とそこに集まり、無くす恐れがなくなる。
人々が作業する、時間を過ごす主要な部屋には長めの腰の高さの棚を用意すること。奥行きは25-40cmにし、その下に棚や収納スペースを設けること。
/211/253/
202.造り付けの腰掛け
/142/130/179/180/
機能する造り付けの腰掛けの条件
・目立たない一角
・背には緩い傾斜、クッション材
・興味深いものを眺められる位置
実際に生活してみてそのような場所を発見した後に作ること。
/197/211/
203.ちびっ子のほら穴
/73/86/197/137/
子供は小さな洞穴のような場所に入るのを好む。
家の周囲、近隣、学校などの子供の遊ぶ場所には76-120cm程度の天井の「ほら穴」を設けること。入り口も小さくし子供の世界を確立すること。
/211/224/
204.開かずの間
/197/190/
家の中に、鍵をかけられる秘密の0.3-0.5㎡を用意すること。家の古い記憶や重要な秘密を保存する場所である。
/198/211/219/
参考文献「パタンランゲージ」C・アレグザンダー著 鹿島出版会
by tsujitakuma
| 2009-11-14 14:37
| book