パタンランゲージ要約205-253 |
各文章の後ろに記しているものが当該パタンが影響するパタン(=当該パタンよりも下位のパタン)の数字です。
施工編
このパタンを、造り手自身が責任を持って踏襲すれば敷地に調和したユニークな建物が建てられる。それには造り手が労を惜しまず、模型を制作し、実際に数度の検討を行うことが前提である。
このパタンは最も具体的であり、且つ、根源をさかのぼって再解釈、再構成可能という点において最も抽象的である。
205.生活空間にしたがう構造
物理的な空間と生活空間は一致させること。
構造的な制約が強すぎる場合(フラードームなど)も、純粋な構造過ぎて自由な平面(ミース的自由なプラン)を獲得できる場合のどちらも生活空間を抑制、改変する恐れがある。また構造は「本物」でなければならない。自由な平面に登場する薄っぺらい可動間仕切りは壁ではなく、人は構造を感じられる物質を空間として認識するのである。その意味において隅にある4つの柱は最も原始的な空間と構造の一致例として挙げられる。
工学的構造体に合わせて生活空間を修正しないこと。
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206.無駄のない構造
/205/
建物の構造はすべてが同一システムである必要はない。
<生活空間と部屋の特性のみに基づく典型的な建物の3次元的可能性>
191から、
・平面状の空間の境界はほぼ直線で形成される。
・天井高は空間の生活機能に応じて変化
・空間の外縁部は1.8mまでは垂直
・床は水平
→建物は蜂の巣状断面の多角形空間を詰め込んだものになる。
従って構造形式は空間どおしの隙間のみを埋めていくような材料の配分法の一つである。想像上の構造体は液状構造材。
<一定の空間システムのための最も効果的な構造>
・圧縮構造:
無駄のない構造においては材のすみずみまで体力的に耐え得る。例えば木造の単純梁は蜂の上端と下端に応力が集中し、中間部の応力はきわめて小さい。一般的に曲げを受ける部材の応力分布は不均等であり、曲げの発生しない構造が望ましい。
そのためには純粋引張り構造、純粋圧縮構造が適しているが、木と鉄という二大引っ張り材の大量消費は不可能である。よって純粋圧縮構造が望ましい。
・連続構造:
無駄のない構造では荷重に構造全体で反応する。網かごは僅かな荷重に対しても構造全体で反応する。各構造要素が想定最大荷重にそれぞれ耐えられるように設計するととてつもない構造になってしまうが、一つ一つの構造が連続して荷重を分散し受け止められれば、一つ一つの構造は小さくて済む。
部材同士の連続は同じ素材であることと、壁と天井、柱と梁の取り合いに斜めの隅肉をつけることが必要となる。
<無駄のない構造の詳細>
・天井、床、部屋はすべてヴォールトとする。ヴォールトは圧縮力のみで成立する唯一の形である。壁はほとんど垂直で、曲線は1.8mくらいから始めること。
・あらゆる壁は耐力壁でなければならない。
・壁の長手方向に一定の間隔でリブ補強材を入れること。
・壁と床、壁と壁の接合部は継ぎ目に沿って隅肉を形成する厚みをつけること。直角の接合部は最悪である。
・壁の開口部は厚みのある枠で補強し、上部は半円形にすること。
従って、建物を連続した圧縮材で形成すること。
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207.ふさわしい材料
/205/206/
近代建築は急速に劣化する傾向にある。
材料の条件としては、寸法が小さく、現場加工がしやすく、巨大機械に頼ることなく施工ができ、変更や修正がしやすく、重く、長持ちで、手入れがしやすく、熟練労働がしやすく、どこでも安価で入手可能な材料で、生態的に健全で、環境負荷が低い、ということが挙げられる。
<量材>
石やレンガ:ほぼ適合するが、労働集約型である。
木材:木材は価値が急騰しているためあまり適していない
鉄:低層には高価すぎ、生産にエネルギーを浪費しすぎる
土:土の入手が容易な地域では有力
コンクリート:密実すぎ、重くて作業性が悪いが、世界中で入手可能
→木材に極めて近い尾比重と圧縮強度を持つ超軽量コンクリートが適切
超軽量コンクリート=セメント:カイライト:蛭石=1:2:3
<二次建材>
修復、交換が容易であること。鉄製パネル、アルミ、コンクリート、PS、モルタル、大型板ガラスなどは不向き。
2050年には鉄資源は枯渇するであろう。
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208.順に固める構造
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「パタンランゲージの背後にある基本思想は独自の敷地や地域の微妙な条件に順応できるように、むしろ厳密でない流動的な計画案を作成すべきだ、というものである。」p510
計画案の最終調整は緩やかで固まらないままにしておき、工事が進むにつれて構造が固定されていくような建設方法が望ましい。この方法を用いれば施工プロセスにおける創造的行為が可能になり、図面上では設計出来ない細部も立体的に確認しながら施工可能である。
すなわち後に付け加えられる材料ほど、前の材料に対して柔軟性と順応性が求められるのである。
建物:もろい→強固
素材:強固→もろい
という相関関係が時系列に現れる。
新前と親方の差異は小さな過ちを吸収しながら(包括しながら)施工を進められるか否か。
現代の施工法は新前のそれに近いのである。
・事前に事を整えることに時間を割くようになる。それは完璧を助長する。
・細部が全体を支配する。細部が納まらないことが全体の構成を変化させてしまう。
細部が全体に適合していくプロセス。
<実際のところ>
・薄板状の材料は生産しやすく、接合も問題ない。
・超軽量コンクリート
→型枠に容易に入手できる薄板材を、充填材に超軽量コンクリートを使用するし、型枠はそのまま仕上げ材として使用すること。
/216/217/218/219/220/
209.屋根の割り付け
/116/117/118/
上記の屋根パタンを実現するための条件
・傾斜屋根はどれもほぼ同じ傾斜になる(気候条件、施工効率から)
・部屋の広さと屋根の高さは比例させること
・中庭の軒線は揃えること、妻側が隣接している場合は寄せ棟にすること。
・それ以外は切妻のままで良い
建物や複合建物のなかの明確な生活実体に応じてそれぞれ独自の屋根を架けること。
/220/115/211/
210.床と天井の割り付け
/206/190/209/
すべてのヴォールトの荷重が下のヴォールトを支持する柱に45度以内の角度で伝達される位置にヴォールトを配置すること。大きな部屋に関してはヌックやアルコーブなどで調整すること。空間平面の長辺が短辺の2倍以上の長さの場合は一方向ヴォールトを、二倍以下の場合はドームヴォールトを用いること。
・各部屋ごとにヴォールトを架けること
・ヴォールトは壁の上部で支える。
・ヴォールトの間口は1.5-9m
・上下のヴォールトの周辺部が平面的に60-90cm以上ずれる場合は、下のヴォールトにアーチを加えること
/217/219/
/213/233/212/211/
211.外壁の厚み
/116/180/197/199/202/203/204/209/210/
壁が平滑すぎる場合、カスタマイズする気はなかなか起きない。そのためには柱に挟まれた厚い壁を用意する。特に外壁においては、ヴォールト同士で相殺できない水平力を受けるために厚い壁が必要となる。
腰掛けや戸棚を設ける場所を平面状に示すこと。奥行き60-90cmで、部屋の主空間の外側に設けるものには腰掛けや棚などが、主空間の外側に取り付いた感じで配すこと。60cm以下の奥行きの場合は簡単な棚を架けるだけでよい。
/220/219/212/
212.隅の柱
/209/205/208/
生活空間を意識させるためには空間の隅に柱が必要である。
現在の設計施工の関係では完璧な設計計画を完璧に施工するという状況にあり、図面通りに施工しなければならない。
そうではなくて、柱を立てるだけで、施工時の変化を許容したまま空間を作ることが可能になる。
大まかな平面計画の上で、各部屋の隅と厚い壁やアルコーブのような小空間の隅とに柱を表す点を記すこと。
/213/219/220/214/216/217/226/
213.補強柱の配分
/212/206/190/
伝統的な建築形体においては柱や補強材は地面に近づくにつれ太くてまばらに、上にいくにつれ細くて密になっている。壁の細長比(高さ:厚さ)が10以下であれば、壁の潜在圧縮強度の93%の荷重を座屈なしで支持できる。
一般に壁の高さに比べ薄くなるほど狭い間隔で補強が必要となる。
4階建ての建物においてはだいたい4:3:2:1の割合で壁に荷重がかかり、壁の負担する荷重は上部へいくほど少なくなり、壁は薄くなる。各階の高さが同じだと仮定した場合、上階ほど壁が薄くなり、補強材の間隔も狭くなるのである。
構造的にも上階ほど天高を低くした方が安定する。
従って補強材の間隔は一階で最も広く、上階にいくにつれて狭くすること。
/190/218/216/
214.根のような基礎
/212/213/104/168/
最良の基礎とは樹木の根のようなものである。柱と基礎が別々の要素である場合、その継ぎ手部分に曲げ応力と剪断応力が極度にかかり、接合具を導入すると継ぎ手がもう一つ増えてしまう。よって、柱が基礎に深く根をおろし、地面と一体且つ連続的な柱と基礎が望ましい。
/216/215/
215.一階の床版
/168/206/212/214/
一階の床にはコンクリート板が最も容易で安価で自然な方法である。一階の床は地面から15-23cm上げてつくること。
/233/168/248/219/
216.ボックス柱
/214/213/
・柱には適度な太さと安定感が必要である。太すぎると様式主義に陥る。
・鉄やPSなど細くて強度のある材料は除外←207
・柱は安価でなければならない
・柱には暖かい感触が必要である。
・柱が曲げを受けるとすれば、柱の外周に最も強度の高い材料を用いるべきである。
・柱は基礎や梁、壁などとの接合が容易でなければならない。
・現場による修正が容易でなければならない。
→ボックス柱:空洞管を充填した柱。強固な外枠に圧縮に強い心材を充填すること。
/214/219/217/227/226/
217.がわ梁
/216/219/210/
柱を立てたら、それをつなぐがわ梁が空間を現す要素となる。
・側梁は壁面とヴォールト面との接合部に自然な厚みを形成する
・天井ヴォールトに隣接して別のヴォールトがない場合、側梁が水平水力に抵抗する
・壁に穴をあけることになる窓がある場合、マグサの役割を果たす
・上階の柱からの荷重を均等に分割して下階の柱と壁に伝える。
・梁は出来るだけ上階の柱壁、下階の柱壁、床とも連続させる必要がある。
U字断面の型枠に充填材を充填して形成すること。
/219/227/
218.構造膜
/206/213/
壁は柱や窓枠、ドア枠などと接合し、連続的な構造膜とすること。壁を作るにはそのまま仕上げ材とする型枠に充填材を充填すること。
/213/235/234/248/
219.床・天井ヴォールト
/206/207/210/217/190/
適正なヴォールトの形状は部屋の端部の1.8-2.1mから始まり、部屋の短辺の13-20%の立ち上がりを持つものである。
ヴォールトはアーチ状の力骨を長方形に組み、麻布をかぶせて樹脂を塗り、セメントを充填するものとする。
/213/214/235/233/
220.屋根ヴォールト
/118/219/117/
最適な屋根形状は文化的差異に影響される。その上で必要な条件は、
・シェルター感覚:棟全体に一つの屋根をかけ、且つ屋根の一部が外からよく見える
・屋根は居住空間を確実に囲い込む必要がある=屋根の周辺部は急勾配
・平面的には長方形
・屋根の形状はどんな間取りにも対応出来る
・構造的には曲げを排除するためにシェルやドームが有効である
以下は除外
・陸屋根←曲げ発生
・傾斜屋根←曲げ発生、木不足
・腰折れ、マンサード屋根←曲げ発生
・ゲオシテックドーム←長方形の平面に不適合
・テント、吊り構造←引っぱり材を使用(圧縮材ではない)
→バレルヴォールトか切妻の斜面が膨らんだ断面をしているものが最も適している
間口が広くなるほど曲率は大きくなる
<施工プロセス>
断面形状の骨組みを46cm間隔で設置→麻布→超軽量コンクリート
/231/232/234/
221.自然なドアと窓
/216/217/134/164/180/192/196/
・上階にいくほど窓は小さくなる
・部屋の上部に窓があるほど昼光量が確保できる
・地面から放れるほど心理的保護が必要になる
・規格サイズの窓は使う必要はない
・窓の位置、大きさは本質的には現場で決める必要がある
/222/223/239/
222.低い窓台
/221/134/180/192/
窓台が高すぎると、外部との接触は切断される。ちょうど良い高さは33-63cmである。
/201/225/245/
223.深い窓枠
/159/225/
窓は常に室内の壁よりも明るく、窓の周辺の壁が最も暗くなる。人間の目は光を相対的に捉えるので、暗い部と明るい部分を同時に見ることに抵抗を感じる。
従って窓の光を柔らかく周辺の壁に伝えるため、窓枠は深く、斜めの断面とし、奥ゆきは30cm、角度は窓面に対し50-60度とすること。
/225/197/238/240/246/
224.低い戸口
/102/110/131/196/221/
標準ドアの高さ(2m)よりも低く設定したドアを有効に活用すること。通過、切り替えを強く意識させたい場合に1.7mほどのドアを設置すること。
/221/225/249/237/
225.厚い縁取りの枠
/221/206/208/
壁に開口を空けるときは、その開口の周りに補強を施さなければ構造的に破綻する。ドアや窓の枠も構造材として捉え、厚みをつけること。
/223/237/236/239/
226.柱のある場所
/212/69/119/163/166/167/174/
柱は構造であると同時に空間を規定する要素でもある。柱は周囲1.5mに影響を及ぼす。が細すぎる場合その影響は消滅してしまう。認識的には消滅するが物理的には邪魔なだけである。従って柱には30-40cmの太さを与え、人々が居心地よく寄りかかったり家具を置いたりする場所にすること。
/216/227/243/245/251/
227.柱の接合部
/216/217/206/119/166/167/226/225/
柱と梁の接合部には筋交いと柱頭による接合がある。
筋交いは剛性をだし、柱頭による接合は連続性を出す。
従って梁と柱の出会う場所には入隅を埋める接合部を設けること。アーチが最も連続的に力を伝達できる。
/249/226/
228.階段ヴォールト
/133/195/206/207/
木材を使わないとすれば、階段の裏側は圧縮力を用いたヴォールトとすること。施工は床や天井と同様にすること。
/219/233/179/198/219/
229.配管スペース
/206/219/
設備供給はヴォールト天井と上階床の間のスパンドレルの中に一つにまとめ、平面的には部屋の4隅に通すこと。取り出し口や点検口を一定間隔で設けること。
/219/230/252/
230.輻射暖房
/218/219/229/
熱の伝達は輻射(放熱源から)、対流(空中から)、伝導(手で触れる固体から)
の3種類あり、人が最も快適に感じるのは輻射熱と対流熱が微妙に均り合った状態である。両者の最適バランスは平均輻射温度が周囲の温度よりも2度高い場合に得られる。部屋の暖房は本質的には対流よりも輻射を選ぶこと。/229/219/202/
231.屋根窓
/117/180/220/
屋根に面した部屋の場合、天窓では外部と適切な関係を築けない。従って屋根をうがつドーマー窓が最も適していると言える。従って、屋根に窓をつける場合は立てるくらいの高さの屋根窓を作り、骨組みはアルコーブと同様のものを使用すること。
/179/180/208/212/216/217/218/219/220/225/236/239/
232.屋根飾り
/118/220/
・屋根飾りは屋根に地位を与える
・屋根の均質性を弱める
・大空とのつながり
屋根飾りは自然な方法を選ぶこと。主たる機能は装飾である。
/249/
233.床面
/215/219/
床は本質的にはサービス(摩耗可)とくつろぎ(豪華、裸足)の空間にわかれ、
親密度の変化(127)と対応させれば奥へ行くほど床は柔らかくなる。玄関や台所は堅い床がよく、食堂や家族室には部分的に快適な床が、寝室には柔らかく裸足でくつろげる床、という具合に。堅い床材は柔らかいコンクリートを、柔らかい床材はカーペットを使用すること。
/248/249/250/
234.重ね張りの外壁
/218/220/
外壁の主要な機能は風雨をしのぐことである。大きなシート状の材料は接合部に細心の注意が必要である。斜め下向きに重なり合った小さな部材で構成するべきである。何故なら痛んでもすぐに部分的に交換出来るからである。
/218/219/
235.柔らかい内壁
/218/219/
内壁には暖かい手触りで小さな釘などが打てるほど柔らかい素材(石膏プラスターや木)を用いること。
/218/219/240/
236.いっぱいに開く窓
/180/192/221/
外部と接続したくなるモチベーションがある場所に面したところに外に開く両開き窓を設置すること。
/239/
237.小窓つきの厚いドア
/196/224/135/194/
音を遮ると同時に視覚的なつながりを担保するドアが特に小さな部屋においては必要である。つまり小さなガラスの小窓をつけたドアを用いれば良い。
/239/218/
238.柔げた光
/221/223/
窓には光のコントラストを押さえ、柔らかな光を取り込むために繊細なタピストリーをつくること。
/246/244/250/239/
239.小割りの窓ガラス
/194/221/236/237/225/
窓が小さいほどそれだけ内部と外部のつながりを強めてくれる。大きな窓からの景色は逆に一様になりやすい。建物の内部にいるのにも関わらず、外部との間になにも存在しないと感じるのは家の本質的な機能に反するものである。従ってそれぞれの窓を30cm以下の小さなガラスに分割すること。
/238/240/
240.半インチの見切り縁
/235/234/216/217/219/225/249/
現場合わせによって生じた微細なズレを許容するには接合部を包み隠す見切り縁が必要不可決である。近代建築に置いてはそのようなズレは死活問題となる。見切り板の寸法は1.2-2.5cmが適切である。材料には木やしっくい、テラコッタを使用すること。
/249/250/
241.腰掛けの位置
/121/124/140/160/161/163/168/174/176/
腰掛けは
・歩行者の活動に面した場所
・日当りの良い場所
・冬の風を遮る壁のある場所
・暑い地方では日中の太陽を遮る覆いがあり、風通しが良い場所
に配すこと。
/125/242/243/
242.玄関先のベンチ
/241/119/160/161/168/130/241/155/
玄関ドアの脇にベンチを配し、移ろいゆく世界を眺め続けられる場所にすること。家の前は半私的領域に設えること。
/110/243/245/241/
243.座れるさかい壁
/106/51/100/111/114/121/124/163/165/166/172/241/242/
必要なのは分節しつつ、つなげる境界である。それを実現するのは、座れる高さの壁である。従ってどんな屋外境界にも囲いをつけ、各領域の間に高さ40cm、幅30cmの壁を設けること。
/241/249/245/
244.キャンバス屋根
/118/19/140/163/166/174/180/103/238/
布は透光性、通風性ともに建物ほど強固ではなく、夏の日差しや冬の霧をさえぎるための
・日よけ
・カーテン
・テント状の屋根
に使用可能である。容易に開閉できるように網や針金を引けば折り畳めるようにしておくこと。
/238/249/250/
245.さわれる花
/243/169/120/125/160/173/
花を保護するために
・太陽
・香りを楽しみ手で触れる
・野良犬からの保護
・日常から見える位置
を満たす場所に花を植えること。花壇はすわれるように少し高くすること
246.つる植物
/174/238/
建物が植物に覆われると周囲にとけ込む。
境界をぼかし、室内に柔らかな光を持ち込み、柔らかな肌触りを外壁にあたえ、手入れによって通行人とのコミュニケーションが生まれる。
247.すき間だらけの舗石
/51/121/140/163/169/168/
歩行路やテラスには舗石のあいだに植物やこけが育つように2.5cmほどのすき間をあけておくこと。目地は土。
/168/248/
248.柔らかいタイルとレンガ
/168/207/233/243/247/
人の歩く地上レベルには時の経過を写す柔らかさが必要である。自分の家の一階や屋外の床に敷くタイルはできれば自分でつくること。建設現場で地元の粘土を用い使い手の痕跡をとどめられるように、低温で柔らかく焼き上げること。
/249/250/
249.装飾
/110/160/168/173/180/196/225/226/227/232/235/243/
人はみな自分の周囲をかざりたいという自然な欲求を持っている。
「正しく形成された空間は一つの全体である。またある空間の部分、つまり町、近隣、建物、部屋、などの部分は、まとまりのある一つの実体であると同時に、他の実体と合わさってより大きな全体を形成する。その意味で、空間の部分も一つの全体である。このような一連の過程は境界に大きく左右される。」
「ものはそれ自体が完全で、しかも外部のより大きな実体の形成に参加して初めて、全体性を持つのである。だがこのようになるのは、2つのあいだの境界が両側を明確に分別できないほど厚味をもち、肉付きがよく、曖昧であり、それでも境界が、
・別個の実体か
・内部分裂のない一つの全体か、
いずれかの機能を果たす場合である。」
装飾の目的は境界自体に意味を持たせ、2つの世界を織り合わせていきより全体性のある世界をつくることである。
従って、建物や都市に強調や結合エネルギーの追加を必要としている縁や転換部を見つけ、2つの要素が接する部位に装飾を設けること。
簡単なテーマを自分で選び強調したい境界に装飾すること。
/218/225/234/248/250/240/253/
250.暖かい色
/207/233/235/
快適性を左右するのはものの表面の色ではなく光の色である。空間の色はものそれ自体の色ではなく、光源とさまざまなものの表面への跳ね返り方と複雑な相互作用によって決定される。
従って、室内の各表面の色は自然光、反射光、人工光などが混じり合って暖かい光になるような色を選ぶこと。
/252/240/249/244/248/249/
251.まちまちのイス
/142/185/202/
人それぞれにあったイスを複数種類用意すること。
/252/
252.明かりだまり
/179/183/129/130/146/182/185/251/250/
均質な照明は空間に応じて用意された機能を破壊する。照明を低い位置で分散し、泡のような明かりだまりが個々のイスや居場所を包みその空間の機能を強調すること。そのためには暗い場所も必要である。
/250/
253.自分を語る小物
最高の飾り付けは自分を語るものである。
参考文献「パタンランゲージ」C・アレグザンダー著 鹿島出版会