2010年 12月 17日
untenorプロジェクト「RE(理論)Research for Externalization」概要 |
「RE(理論)Research for Externalization」
「建築家によるリサーチ」をテーマに、若い世代の建築家、建築関係者による連続レクチャー「都市の現象学」と、それと並行して浜松の中心市街地に対して行われる実践型のリサーチプログラムから構成されています。招聘するゲストは、京都で建築家に対する俯瞰的なアプローチを進めるRAD、HODC発起人、シャレットの前提として広島に集中的なリサーチをかけた佐々木高之氏、東工大大学院・g86で現在性にコミットする山道拓人氏、筑波大学大学院で実践的な郊外リサーチを進める土岐文乃氏、立川ウェッサイと立川空想不動産など浜松とも共通点の多い西東京をベースに活動されている古澤大輔氏、門脇耕三氏が決定しています。ゲストの方は、地方都市、東京、郊外、リサーチをキーワードに現在鋭意調整中ですのでご期待ください。レクチャーは地方都市の中心市街地で分散的に行うことが重要だと判断し、全て浜松で行う予定です。
ワークショップは「Material consumption research」と題し、中心市街地に眠る素材に着目し都市の断面を明らかにする、実践的なプログラムになります。1月下旬から3月下旬に渡って継続的に行うリサーチプログラムです。
尚、このインターンシッププログラムはWSとレクチャーから構成されています。リサーチWSへの参加は事前申し込みが必要ですが、レクチャーの聴講は申込不要、一般開放の予定です。尚、リサーチWS履修者は自動的にレクチャーも聴講することになります。その場合は事前申込が必要です。下記参照のこと。
<コンセプト>
建築家がマスタープランをつくり、政治的なスタンスによって直接的に都市を作る大文字のロールモデルは1970年の大阪万博を最後に消滅した。一方、ポスト近代の延長である現在においては、建築家が都市に「介入」する方法は様々な水準で存在する。都市をリサーチすること、実際の都市空間を作り替えること、都市空間を利用すること、その全ては積極的に都市空間との関係性を意識することによって顕在化する介入方法である。それに合わせて今日の「建築家」の職能は狭義の職人的な役割から社会的でコミュニケィティブな役割を含むものへと変容しつつある。
テン年代の始まりに、都市へ回帰する建築家の有効性を探ろう。
<概要>
今回のプログラムはリサーチ・ワークショップ×レクチャーシリーズが組み合わされた都市問題に関わる実践的な議論の場である。静岡県浜松市という典型的地方都市を扱うことによって、これからの社会問題を議論するきっかけを提供する。また都市リサーチを実際の都市へ介入することを前提に進める試みである。具体的にはSENA(三遠南信地域社会創造事業)のインターンシッププログラムを利用し、全国各地で都市リサーチや空き空間の活用に取り組んでいる団体・個人などを6回に渡って招き、レクチャーを中心市街地にて開催する。加えて浜松を対象としたリサーチ・ワークショップを実施し、その成果をまとめて発表し、中心市街地や郊外の可能性について探っていく。今回を第一期とし、今後も継続して計画される。
<レクチャーシリーズ「都市の現象学」/URBAN PHENOMENOLOGY>
建築家が都市を「リサーチ」することをキーワードにした連続レクチャーシリーズ。都市に関わるリサーチと実践に着目し、全国各地で活躍するゲストを浜松へ招き、中心市街地の空室や公共空間にてレクチャー及び議論を行なう。テーマは「都市の現象学」。リサーチを設計への布石としてではなくて、「都市の現象」させるプロジェクトとして捉え直すことで見える、建築家の可能性を探る。
第1回 「現象」の建築家たち(京都)
ゲスト:RAD(川勝真一+榊原充大)
日時:2011年2月11日(金) 18:00-20:30
会場:浜松信用金庫板屋町支店講義室(予定)
第2回 時間の現象、都市空間の更新(金沢、東東京)
ゲスト:亀井智史(東工大大学院)×田所雄大(403 architecture・東大新領域)
日時:2011年2月18日(金)18:00-20:30
会場:浜松信用金庫板屋町支店講義室(予定)
第3回 地方都市の現象、その役割(広島)
ゲスト:佐々木高之(アラキササキアーキテクツ)
日時:2011年2月25日(金)18:00-20:30
会場:浜松信用金庫板屋町支店講義室(予定)
第4回 システムの現象(東京、神奈川)
ゲスト:吉村靖孝(吉村靖孝建築設計事務所主宰)
日時:2011年3月4日(金) 18:00-20:30
会場:浜松信用金庫板屋町支店講義室(予定)
第5回 ショッピングの現象、そして現在性について(茨城、浜松、SC)
ゲスト:土岐文乃(筑波大学大学院博士課程)×山道拓人(g86・東工大大学院)
日時:2011年3月11日(金)18:00-20:30
会場:浜松信用金庫板屋町支店講義室(予定)
第6回 未来への現象(西東京)
ゲスト:門脇耕三(首都大学東京助教)+古澤大輔(メジロスタジオ)
日時:2011年3月19日(土)13:00-15:30
会場:アゴラ浜松(予定)
<リサーチワークショップ/Material consumption research>
都市を、「素材」から見ることを提案する。ここでいう「素材」とは従来の建築建材の概念を広げて、ある産業の中では利用価値の低い廃材を含むマテリアル全般を指している。「素材」が都市のどこに眠っているのか、どのような背景で生み出されるのかを併せて検証することによって、産業構造と都市との関係を明らかにする。また、モノが流通するプロセスの中に介入可能性を見出すことにより、凡庸なものに「素材性」を発見することが可能となる。また同時に、工業都市浜松の特性にも接続可能である。都市が産業システムの変化に伴いどのような成長・衰退を遂げているのか歴史的な視点を併せて分析することにより、浜松という都市の特性の一端を理解することも目的としている。
<コンタクト>
本インターンシッププログラムを受講したい方は簡単なプロフィール、住所、連絡先、志望理由を明記の上、info@untenor.comまで、ご連絡ください。質問も受け付けます。締切りは12/20(月)とさせて頂きます。実施地域は静岡県浜松市、交通費一部支給、受講料は無料です。
by tsujitakuma
| 2010-12-17 11:26
| architecture