第五回都市の現象学-未来への現象-レポート「リアルな他者の発見から広がる建築的世界」 |
地震の影響から首都圏を中心に数々のイベントが中止される中、開催に当たって、私たちは浜松は東京ほどインフラの混乱が無いと判断し、このような時だからこそ日本の中心からメッセージを発信しようという強い意志の下、開催に踏み切った。
第五回のテーマは「未来への現象」。
首都大学東京から門脇耕三氏、メジロスタジオの古澤大輔氏、馬場兼伸氏をお招きし、縮減する日本社会と地方都市の行く末を、門脇さんの理論、メジロスタジオの実践を通して考察する試みである。

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まずは門脇耕三氏から、「縮退時代における遡及的都市設計のための幾つかのキーワード」と題してレクチャーがスタート。
氏は、「幾つかのキーワード」をレクチャーの最初に示し、議論の到達点を予め私たちに与えてくれた。
そのキーワードがこの四つである。
1縮退する都市の様相
2都市的アフォーダンス
3ミクロマクロ連続
4遡及的設計
大枠の状況として、現在の状況においては物が有り余っていることを指摘し、既にインフラが充実しているので今あるものをどのように使うか、把握するかが全体のコンセプトに反映されていることは特筆すべきであろう。
□縮退する都市の様相
戦後増加の一途を辿った日本の人口は2005年を起点として2055年までで4000万人が減少することは周知の事実であるが、2055年までに3/4になるという。人間の寿命の約半分という短いスパンで減るそのスピードは私たちの想像を遥かに上回ることは予想に難くない。
さらに年齢別で見ると、生産人口が圧倒的に減少、高齢者はむしろ増えていくことがわかる。
一方、地域別では北海道は25%減、東京は微増、浜松は15%減、愛知は5%減、大阪は17%減という数値を挙げ、地域ごとに人口減少の現象の仕方が違うことを教えてくれた。
今後のシナリオとしては、都市間競争、都市が人口を奪い合う時代になるという。
それぞれの都市の良点をプレゼンテーションしていく必要性が高まるが、人口が減少する前提は維持される時代となる。
今まさに都市の設計論が求められているのだ。
その時に必要なのは異なったものを架橋する方法論であり、縮退と豊かさ、都市構造と豊かな生活、マクロとミクロをどのように架橋するのかを次の課題として挙げた。
氏はその上で縮小都市を相対化し、その可能性を下記のように整理した。
[縮小都市のネガティブな要素]
公共サービスの低下
生産活動の縮小
経済の停滞
[縮小都市のポジティブ]
交通渋滞の緩和
一人当たりの建物、床面積の増加
+情報技術の発達によって時間場所を共有せずともコミュニケーションが可能。
→中心業務地区の消滅。離散型都市。
□「都市的アフォーダンス」
さらに氏は都市構造と豊かな生活の架橋の可能性を示す新たな概念として都市的アフォーダンスという造語を紹介してくれた。
「アフォーダンス」とは行動を誘発する環境のことを指し、「都市的」という冠詞が付くことで、都市の喚起する環境行動を現すのが都市的アフォーダンスである。
例えば渋谷は遊ぶ、六本木はクラブ、都市と行動が対応する可能性があるということだ。
その具体例として、先に開催された「縮退時代の新しい都市生活」展において提出された東洋大森田君の「見守り都市」を挙げた。彼の作品はゾーニングによる特定機能発揮都市であり、住宅地に超高層の高齢者施設、足元にショッピングセンターを設ける提案である。高齢者と若者の関係をショッピングを媒介にして捉え直すことで、都市の規模でアフォーダンスを発揮させようというものである。
改めて、縮退と豊かさは両立可能であると宣言する一方で、都市構造と豊かな生活は方法論が必要であると課題を残した。その方法論の拠り所になりそうなのが、経済用語にあるロングテール現象である。
これからの社会ではヘッドの一発狙いではなくて、ロングテールの部分で小規模多品種で儲けることが可能性であり、amazonはウェブでの成功例として注目に値するとのこと。
ここでミクロとマクロ、つまりヘッドとロングテールの接続の仕方、ロングテールからヘッドへ結びつけることが導きだされ、物が余るこの時代においては既存ストックを前提としなくてはいけないのでロングテールから入り込むべきだとし、逆にヘッドから入る巨大施設設計は現実的ではないという見解を示した。
つまり、遡及的設計が求められるのだ。と。
遡及的設計とはいかなるものか。現在の建築家による設計手法から読み解いていく。
□遡及的設計にみる建築設計の現在性
氏は JA no.39「設計のプロセス」を取り上げ、具体例から手法のカテゴライズを紹介する。
このJAの特集で取り上げられている建築家は主として1960年代生まれ建築家の設計プロセスである。
・西沢大良→図面の量が模型を上回る。
・西沢立衛→図面の量=模型の数、膨大の模型数。
・その後のSANAAのスタディ。模型が図面の量を上回る。
※ちなみに70年代生まれの若手建築家、長谷川豪氏は1000個近く模型を作るという発言をしているということも合わせて取り上げた。
西沢立衛氏から、スタディにおいて模型の数が図面の枚数を超えている。ここで何が起こっているのか。
そもそも何故模型を作るのかと言えば、人間の三次元空間把握能力に限界があるからであって、そもそも図面とは理念を現し、模型とはそれに対して実体である。
図面優位のスタディにおいては、模型を作るということは、理念を実体化し頭の中の空間を模型で確認するということである。
それが模型優位となるとどうなるか。
実体が理念を上回り、理念の三次元把握と実体のズレを積極的に読み取るようになると氏は分析する。他者化した自己(ズレ)を積極的に誤読するようになるというのだ。
西沢立衛氏が「スタッフがケント紙で模型を作ったら全然違う空間に見えてしまった」と言えば、
石上純也氏は「模型を建築の縮小であるとは捉えずその小さなスケールで成立する空間を捉える」と言い、リアルな模型で「出来てしまっている」現実を積極的に理念に回収しようとしているのだと。
このような模型優位の思考方法は
下記の論理推論の形式において、
1演繹、分析的推論
2帰納、拡張的推論
のどちらでもなく、
3アブダクション:仮説的推論、創造的推論、パースが19世紀に発見した思考方法に近いという見解を氏は示した。
アブダクションの思考プロセスは、
STEP1「驚くべき」Cが観察される
STEP2説明仮説Hが真であればCは驚かない
STEP3だからHは真
というもので、
これに模型優位のプロセスに代入すると
STEP1スタディ模型に驚く
STEP2空間ルールの発見
STEP3理念に回収
とした上で、さらに氏は
模型>図面モデルの限界を「誤読のトリガーが模型しかない」という観点から提示し、そもそも模型という縮小物は二乗三乗則に基づく繊細な部材であることから、現代日本建築の繊細さにつながっている一方で、先に示した既存ストックが思考の対象になっていないことを挙げた。
リノベーションで大量に模型を作ることは有効ではないのだ。
つまり、驚くべき対象をリノベーション(既存ストック)に適用することが縮退時代には必要であるということである。
そのような先見的な事例として建築家・長坂常氏を取り上げ、彼は模型ではなく実物(リノベーションであれば既存の物件)自体を観察し、ズレを発見し、誤読することによってアブダクションの思考プロセスをリノベーションに代入した好例となっていると紹介してくれた。
□記憶術都市、関数都市、都市のリノベーション
さらにアブダクションの可能性を都市にも適用する緒を「記憶術都市」「関数都市」として示す。
空間を使った記憶術としては、グーテンベルグの活版印刷が1445年に発明された後でも18cヨーロッパの識字率は30%であったことを確認し、聖書の暗記術を建築のエレメントによって補助した事例、つまり聖書を空間化した事例を挙げ、空間に意味を与えていく手法を記憶術空間の事例として示した。
氏は、それが都市に広がることによって、構文としての都市、関数としての都市が生まれるという。
マインドマップような空間のアクセシビリティが生じる幾何学構造=論理構造=構文構造を都市に埋め込むことによって都市そのものが記述媒体となる可能性を導き出し、それはつまり都市的アフォーダンスとして機能するのだ。
都市を帰納的に把握し、アフォーダンスを埋め込み、ネットワークさせることで都市全体の既存ストックをスケールを横断してそれぞれにリノベーション=re-innovationしようという壮大かつアクチュアルなコンセプトとなるのである。
門脇耕三氏が示してくれたこの理論を、奇しくも実践しているのが、結果的にこの日のもう一枠のゲスト、メジロスタジオとなることがこの後証明される。
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まずはメジロスタジオ 古澤大輔氏によるプレゼンテーション。
大学を卒業後すぐ独立し、今年で9年目になるメジロスタジオは、若手の中では多作で、20個近くの物件を手がけそのうち10個近くを雑誌などで発表している建築家ユニットである。
何故三人かと言えば、客観性を担保したいからだと言う。先の門脇さんのレクチャーから引用すれば、人格の「誤読」を楽しむということになろうか。
まず自己紹介を兼ねて最新作「東府中の集合住宅」のプレゼンテーションから。
敷地は東府中の住宅地。郊外につくるというとき、コンテクストがない難しさがあったという。周囲にどう建つか予測できない状況でどのように作っていくかを意識し、周囲の住宅群が総じて南面に建物が向いていることをコンテクストとして抽出しそこから45度角度を振ることを設定した。
捨て面を作らない四面ファサードを採用し、波型の外周が方向感覚を狂わせ、一つの部屋に一つの窓を徹底することにより機能の交換可能性と空間の多様性の両方を達成している。
さらに、一般的な不動産言語で作ることもテーマになっているらしい。
バルコニーは南面、全住戸角部屋、LDK言語。リゾートホテルのような外観。というような一般不動産言語を建築的に翻訳することでユーザーに対して間口を広げることがモチベーションとなっているとのこと。
「建築家に頼む施主は基本的にマイノリティであり、建築家はマジョリティにもコミットメントしなくてはいけない」と古澤氏。
続けてメタレベルのコンセプトも披露する。
「カムフラージュ・アイデンティティ」
常に両義性を担保するという意で、迷彩色は「色」の名前ではなく「柄」の名前であることに注目し、常に相対的に姿を変えていく自分たちのスタンスを表現している。
カムフラージュの代表例、擬態には生物が懸命に生きる際に必要となる知恵とユーモアが含まれているとし、その発揮の行方は時代の価値観≒合理性に左右されるものであるという見解も同時に示した。
ソビエトパレスなど社会主義の建築は確固たる社会にしっかりマウントされていたが、モダニズムは社会から切断することを宣言したわけで、社会は波打つ地盤だとしたら、マウントでも切断でもなく、深く埋め込む=implantすることで絶対的な象徴性から相対的な象徴性へ、絶対的な合理性から相対的な合理性へと自信をカムフラージュさせていく。埋め込まれた部分が多い時は社会に深く潜り、顔を出すときはきらびやかにアプローチする。そのような二面性を同時に貫くコンセプトとしてカムフラージュを宣言しているようだ。
そうした前提を示した上で、この日は水中(社会に深く潜った)の活動を紹介してくれた。
□立川
まずは東京ウェッサイというコミュニティラジオの運営の紹介。
面白い人を呼んで面白い話をしてもらうという単純でありながら本質的なコンセプトで、地域密着、小回り、複合性を兼ね備えた次世代のメディアとしてのラジオを駆使し、地域にアプローチしている。
コンテンツに関しては、建築家として携わる立川空想不動産をカムフラージュするように多様な企画を用意し、地域に対する間口をまずは広げていくことを意識しているようだ。
ここで立川という都市についての説明を加える。立川は商業エリアとしては上位で、乗降客数も上昇しているが、成功しているのは駅の周辺のみなのだそうだ。それはペデストリアンデッキでデパートが連結されているが故に人がペデから降りないことが原因らしい。
おかげで旧中心市街地には人が寄り付きにくい状況となっているが、情緒あふれる建物をポジティブに発見することで古い市街地のポテンシャルを発見しなおす可能性を提示した。
そのポジティブな発見を企画化したのが立川空想不動産で、不動産仲介ではなく、なんかヨサゲだよね、という紹介で止めることによって不動産業の縛りを受けずに自由にポジティブな発見を顕在化できるのである。
さらにこの空想不動産の特徴として紹介物件をキャッチーな名前で表現し、空想物件とリアル物件を混ぜてカムフラージュしていることも注目に値する。メジロスタジオの作品も混ぜ、一般的には建築家が作った作品は不動産サイトには流通させない中で、マジョリティにも間口を開いている。
地域にダイブしていくときに重要なのが時間をかけたロードマップである。
シネマストリートを対象とした物件を例に紹介していこう。
・シネマスタジオ1
コミュニティラジオを間口にして話が進んだこの物件のプロセスは、建築家としての側面よりもラジオから商店街の活性化したいというニュートラルな振る舞いが先立つことによって進み、自分たちがリスクを負ってサブリースすることでオーナーとのコンセンサスを図った事例である。
デザイン手法は既存のストックを有効に活用して解体するだけとし、低予算でのリノベーションを実現している。
また、シネマスタジオオープニングイベントも敢行し地域住民からの賛同も得ることが出来たという。
・シネマスタジオ2

※撮影筆者
対象物件は使われなくなった倉庫。まずは倉庫の片付をラジオのイベントとして敢行し地域へのアピールを図り、シェアオフィスとしてリノベーションを進めた。また裏の路地と表路地を接続し通り庭を共同スペースとして活用することで都市的なコンテクストも同時に読み込む設計としている。これもシネスタ1と同様に特にただ解体しただけのデザインとなっている。
この場所ではシェアオフィスとしてだけではなく、首都大学でまちづくりの授業、講評会も行われ活動が新聞にも掲載されたことで地域住民のモチベーションが飛躍的に上がったそうだ。
この立川での活動で重要な役割を担っているのがラジオである。ラジオから地域に入り込み、不動産物件を扱うメディアを作って、建築を作るという、本来の建築を作る手順とは逆のプロセスを踏ませている。
部外者が「カムフラージュ」して地域に潜入する事例となっている。
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続いて、メジロスタジオ馬場兼伸氏によるプレゼンテーション。
「一時停止都市の使い方」と題して、群馬県高崎市の活動を引き合いに、建築、都市の動きの鈍さを捉えたデザインの手法を示してくれた。
□高崎
高崎は越後と江戸を結ぶ中山道の宿場町として栄え、現在は旧中仙道が駅に隣接している。しかしながら人の賑わいは駅前の商業ビルに集中し、旧中仙道沿いは物販は機能していない。関東平野の終端でもあり後背地の生産は豊かである。東京からは在来線で2h、新幹線1hという立地である。旧市街地は駅からも幹線道路からも遠く、地権者多数いるのため権利関係複雑であり、農業は東京向けの大規模なもののみ成立している。人的ネットワークに関しては商工会議所+青年会議所が健在で、幅広い年齢層のネットワークが存在している。という土地柄である。
馬場氏は、旧市街地で商業を成立させる試みとして二つのプロジェクトをプレゼンテーションしてくれた。
・ケーススタディ①屋台村
敷地は旧市街にある荒廃した駐車場で、権利関係のしがらみのない駐車場を地域ファンド化することで4500万の予算を確保した駐車場を屋台村するというプロジェクトである。
クライアントはファンドを持っているクラウド主体である。
馬場氏は、立川と同様、建築家が地域に入っていく時の有効なアプローチとして振る舞いを対面する主体、フェーズごとに「カムフラージュ」していくことを挙げた。
phase1
現状認識と目標の設定→プロフェッサー的振る舞い
屋台村の成功事例の分析。
phase2
対象建物の計画→建築家的振る舞い
プロセスを明快にして可能性を提示し、皆さんで選んで頂くというスタンス。案にヒエラルキーをつけない。投票形式。
phase3
ユニットの設計→プロダクトデザイナー的振る舞い
phase4
法的手続き→建築家的
20棟分の確認申請と仮設建築物申請を出す。
phase5施工管理→工務店的
一週間で施工
phase6検証と維持→イベンター的
多種多様なイベントを開催。
・ケーススタディ②デリカテッセン(産直販売)
屋台村とは対照的に、このプロジェクトは蔵を含む旧商家でしがらみがあり、300万円という低予算で小規模商業、場所貸のプログラムを挿入していくものだ。
元は漆器を売っているお店で蔵が二つあり、離れているもともとの建築物を増築で繋いでいく形でパッチワークのような入り組んだ全体性を持った既存である。
phase1
現状認識と目標の設定→プロフェッサー的
パレドトーキョー、直島、アトワン、
phase2
全体のビジョンの共有→コンサル的
ルートを増やす。
phase3
対象建物の計画→建築家的
ちょっとずつ見せて。
phase4
概算と決断→イケア的
専攻して投資すべき部分と後からオッケーの部分を明確に示し、バシバシ値段をつけていく。300万でできるとこまでやる。
phase5
事業者へのプレゼン→インテリアデザイナー的
phase6
施工管理→大工の棟梁的
構造は前橋工科大の先生
スケジュール管理。
さらに全体のポイントを箇条書きでまとめて提示し、
point1:過渡期の一時停止状態
point2:コンテクストのリセットと再調整
point3:特質の直視
point4:人的ネットワーク
point5:制度や慣習のスキマ
point6:建築家の多様な振る舞い
point7:状況に合わせて分割→物もお金も
point8:持続的に程よい距離で関わる
という明確なメソッドを披露してくれた。
さらにこのような土着的な活動においては着火役と注油役が必要であり、現状ではどちらも建築家がやらざるを得ない状況であるとの認識を示し、自身のプレゼンテーションの幕を閉じた。
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その後の質疑では静岡文化芸術大学の修士二年寺田くんから三者それぞれに質問が飛んだ。それぞれに核心を得た質問と回答となっているので、示しておきたい。
寺田→門脇
Q長坂、中山と西沢さんの違いは?
模型を大量に作るやり方ではリノベーションには立ち向かえない。異なる手法を使わざるを得ない。リノベーションで建築作品的価値を得ている作品はほとんどない。都市的な視点では、ゾーニングは都市の新築で面的巨大開発であるのに対して、ネットワーク型の構造分析による都市的アフォーダンスの抽出が有効。
→古澤
Q地域を盛り上げる、実現のさせ方は?
規模を分割するという話にも通じるが咀嚼出来る範囲に段階をわけて把握する。人間関係が最も重要。人物マップを描いて「ごまをする」。絵を描いて実物をつくることが建築家の最大のメディア。
→馬場
Q多様な振る舞い、役割を振っていくとはどういうことか?
建築家の職能から一個前、一個後くらいはギリギリできる実感がある。ネットワークする人材すらいないから建築家がやらざるを得ない
□総括
門脇氏の理論では、縮退時代におけるストック把握を前提とした遡及的設計を建築のリノベーション、都市へ代入することによって今後建築家が都市へ参画するオルタナティブが提示され、
メジロスタジオの実践からは、建築家がその振る舞い自体を把握した既存ストックに合わせて自在に変化させることで地域へ入り込み、活動密度が低下した地方都市での建築家の有効性を示してくれた。
地方都市浜松に本当にそのまま代入できそうな理論と実践で、主催者が最も満足する結果になったかもしれない。
震災の混乱の中の開催にもかかわらず、快く参加を引き受けて下さった門脇耕三氏、メジロスタジオ古澤大輔氏、馬場兼伸氏に改めて感謝を申し上げます。
最後になりますが、東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。そして、犠牲になられた多くの方々と御遺族の皆様に対し、深く深くお悔やみ申し上げます。吉岡優一、辻琢磨